子どもの仕上げみがきはいつまで?
こんにちは!
高知県大豊生まれ
はちきん歯科医師 「山下雅(みやび)」です。
香川県高松市「木太デンタルクリニック」で勤務しています。
昼間は暖かい日もあり、3月もあっという間に過ぎつつありますね。
今回は、子どもの仕上げみがきについて書きます。
子供の仕上げ磨き
みなさん、子どもの仕上げみがきは何歳までする予定ですか?あるいは、していましたか?
一般的には、小学校4年生までは仕上げみがきが必要と言われています。
「そんなに大きくなっても仕上げみがきするの?」と、意外に思われるママさんもいるかもしれません。
子どもが小学生になって、なんとなく、「もう自分で歯みがきできてるかな?」と思って仕上げみがきを止めてしまう。子どもが仕上げみがきを恥ずかしがったり、嫌がったりして、親が「もういいや、させてくれないし」と思って仕上げみがきを止めてしまったりする場合があるかもしれません。
私自身の小さい頃はどうだったかなと思い出してみると…
いつから親の仕上げみがきがなくなったかは、もう記憶にはありません。
気がつけば、親の「歯みがきしたー?」という質問に、私は慌てて歯みがき剤をつけて10秒くらいシャカシャカっと歯ブラシを動かして、「したよー」と答えていました。それで終了、でした。
親は歯科とは関係無い仕事で、仕上げみがきがいつまで必要か意識したことはないと思いますし、共働きで忙しかったと思います。
私の歯みがきに対する意識はほぼ無く、まあ歯みがきはめんどくさかったですね。
歯みがき剤をつけて泡たてて、「歯をみがいた気」になっていました。
なぜ子供には仕上げ磨きが必要なのか?
理由はもちろん、子どもが自分でキレイに歯をみがけないからです。
歯のどこに食べかすやプラークがついていて、どこに歯ブラシを当てるべきか知りません。
※プラークとは、食べかすとは異なり、歯の表面についてくる白〜クリーム色のネバネバしたものです。細菌の塊であり、歯みがきでは食べかすを取ることと、プラークを落とすことが大切です。
また、歯周病やむし歯予防のために歯をみがく必要があることも理解していません。なので、ぶっちゃけめんどくさい歯みがきに対するモチベーションも無いわけです。
ぶっちゃけ私も、歯みがきのクセがあって、気をつけないとみがき残ししやすい場所がありますし、疲れて眠たい時はめんどくさいって思うこともあります。大人でもそんな感じなので(私だけ?笑)子どもはなおさら。
そして大切なのは歯みがきの習慣をつけることです。
めんどくさく思っても、「歯みがきしなきゃ、歯みがきすることが当たり前」と思えるかどうかです。
プラークや食べかすが残りやすい部位
①歯と歯の間
むし歯になるランキングNo.1!特に奥歯の歯と歯の間は、大人でもむし歯ができやすい部位です。この部位をキレイにするには、実は歯ブラシよりもフロス(糸ようじ)が有効です。
また、フロスについてはブログで書こうと思います。
②歯と歯茎の境目
意外に見落としがちな部位。みがきやすいはずの前歯でも、この部位にプラークがべったり…はあるあるなんです。
前歯はみがく時に「イー」のお口をすると思いますが、普通に「イー」とするだけでは歯と歯ぐきの境目は唇に隠れてしまうことが多いです。鏡を見ながらとか、自力で唇を上げられない場合は手で避けてやって、歯ブラシの先端を境目に沿わせるようにして磨きましょう。
歯ぐきとの境目なので、将来的に歯周病にも関係してきます。
上記の2箇所は代表的な部位ですが、子どものお口の中によってもプラークが残りやすい部位は異なってきます。歯のガタガタがある場合は、そこも要注意です。
仕上げ磨きのポイント(未就学児)
仕上げ磨きを嫌がるお子さんは多いかと思われます。
2022年11月のブログ『ママ歯科医師歯磨きの実際』で、私の子どもに対するリアル歯みがきの奮闘を赤裸々に書いてありますので、よかったら過去のアーカイブから読んでみてください。
- 図の「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」とよばれるところが、歯ブラシが当たると痛いですので、避けて気をつけて歯みがきしてあげてくださいね。
- 子どもが嫌がっても暴れても、ママは笑顔で仕上げみがき♪(むし歯になってほしくないという思いから、暴れる我が子に鬼の形相になりがちです)
- 声かけは、ついつい「ごめんねー、いやだよねー」「暴れないの!!」などと言いがちですが、「お口の中がキレイになって気持ちいいね」などとプラスの声かけをしましょう。
- 子どもの世話で忙しく、自分のことなんて後回し!になりがちですが、子どもは親の姿をよく見ています。ぜひ、子どもの前で、親自身が歯みがきしている姿を見せてあげてくださいね。そうすることで、「ママが歯みがきしている→歯みがきはするもんなんだ」という意識が生まれます。
仕上げ磨きのポイント(小学生)
歯みがきが習慣化されているかチェックしましょう。「歯みがきした?」などの声かけや、一緒に歯みがきするのもいいですね。
歯みがきのクセなども出てくるので、歯科医院を受診の時に、歯みがき指導などあれば、気になることはぜひ相談してくださいね。
あとは、歯みがきがむし歯や歯周病の予防に大切なことも、日々、少しずつ伝えていけるといいです。
仕上げ磨き卒業の条件
仕上げみがきをすべき年齢を文頭で書きましたが、これはあくまで目安です。
子どものお口の中の状況により個人差があります。例えば、むし歯が多い場合や、プラークがべったりついている場合は配慮が必要です。
仕上げみがき卒業の条件としては、
・歯みがきの習慣がついているか
・歯みがき後にお口の中を見て、食べかすやプラークが残っていないか
ここをチェックしてみてくださいね。
仕上げみがきの卒業も、「はい!今日でお終いです!」ではなくて、歯みがき後のお口チェックの頻度を減らしていくことをオススメします。
この時期、4月から学年が上がりますが、子どもも色々とプレッシャーを感じています。「もう○年生だから」という理由で「もう自分でできるでしょ」としてしまうと、しんどくなる場合もありますので、徐々に、でいいかなと思います。
また、歯みがきの習慣化という観点から考えると、歯科医院への定期的な来院も、お口の中に関心を持ってもらうためにはとても良いです。
最後に
仕上げみがきについて、いかがだったでしょうか?
歯科医院では、お子さんの診療の時に、プラークが残っている場所など、仕上げみがきについて保護者の方にお伝えすることもあるかと思います。
また、むし歯が多かったり、リスクが高い場合には、食生活等をお尋ねして、改善点を提案させていただくこともあります。
お子さんが大きくなってきたら、本人に歯みがき指導も行なっています。
もし、分からないことがあれば、歯科医院で相談してみてくださいね。
お悩みが1つでも解決すればいいなと思っています。
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