フッ素は危険!?

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こんにちは!

高知県大豊生まれ 

はちきん歯科医師 「山下雅(みやび)」です。

香川県高松市「木太デンタルクリニック」で勤務しています。

今回は、現在、日本で販売されているほとんどの歯みがき粉に含まれている「フッ素」についてです。「フッ素は身体にとって危険」と聞いたことはありますか?

「え?むし歯予防に効果があると思ってたけど違うの?使うと危ないの?」

詳しく説明していきたいと思います。初耳!という方も、ぜひぜひ読んでみてくださいね♪

フッ素派は怖い?

当院では、お子様の定期健診の最後にはむし歯予防のフッ素塗布を行いますが、時々、「子どもにフッ素は使わないでください」とおっしゃられるママさんもいます。

個人の考え方は様々なので、ご家庭によって子育て、しつけ、食事、健康についての方針が違うのは当然です。

フッ素は使わない、というご家庭の方針でも、子どもにむし歯がなければ、無理に使う必要はないと私は思います。しかし、子どもにむし歯ができていたり、むし歯になりそうな歯が多い場合は…食習慣をはじめとする生活習慣の改善はもちろん必要ですが、歯科医師としては、フッ素を使いたいなと思ってしまいます。

「フッ素は使わない(フッ素入りの歯みがき剤やフッ素塗布はしない)」という方針の理由としては、『フッ素は危険』という考えが根拠にあるように感じます。

『フッ素は危険』…本当なのでしょうか?

フッ化水素とフッ化ナトリウム

まず、歯科医院でのフッ素塗布に使ったり、歯みがき剤に入っている『フッ素』は、正式には「フッ化ナトリウム(NaF)」というフッ化物(フッ素の化合物)です。

これを歯みがき剤などに入れる際にかなりの低濃度(大人用で約1000ppm=0.1%,、つまり歯みがき剤一回分約1gで0.001gのフッ化ナトリウム)で用いると、歯の再石灰化の促進や酸の生成の抑制、歯質の強化などの効果があり、むし歯予防に効果があります。

よく聞く危険なフッ素化合物は、「フッ化水素(HF)」です。ちなみに「フッ化水素酸」はフッ化水素の水溶液です。こちらは猛毒で極めて毒性が高いものです。1982年に歯科医院でフッ化ナトリウムと間違ってフッ化水素酸を塗布してしまうという事故がありました。この事件の影響で「フッ素って危険らしい」という印象が残っている場合もありますが、歯みがき剤に入っているのはフッ化ナトリウムで全く別物です。

フッ素には発がん性がある?

従来のフライパンの表面加工(フッ素コート)は温度が上がると有毒ガスが発生したり、発がん性があると言われています。これは、PFASの総称で呼ばれる、有機フッ素化合物です。歯みがき剤に入っているフッ化ナトリウムとは別物です。

他にもフッ素には発がん性がある!という主張の根拠として、ラットを使った実験でフッ化ナトリウムを2年間与えたグループでは一部に骨肉腫が発生した、というものがあります。

実験について詳しく調べると、1日あたりのフッ化物投与量が2.5mg/kgと4.1mg/kgでした。市販のフッ素濃度900ppmの歯みがき剤90gを1本まるまる飲むとフッ化物50mg摂取したことになります。3歳児15kgと考えると、実験における1日あたりのフッ化物投与量は2.5mg/kgの場合で37.5mg。つまり、毎日、歯みがき剤75g=3/4本を毎日飲み続けることになります。…ちょっと現実的じゃないなと思いませんか?

また、8.1mg/kg、9.1mg/kgのフッ化物を投与していたグループでは発がん性が確認できず、この一連の研究の結論としては、「フッ化物の発がん性に関する証拠は決定的ではない」と締められています。

WHOとフッ素

WHOは、フッ素の全身応用が普及している国があるため6歳未満の子どもへのフッ素洗口を禁止しています。

これを間違った解釈をして、「WHOが6歳未満はフッ素禁止と言っている」と捉えている場合があります。

まず、フッ素の全身応用とは、むし歯予防に適したフッ素濃度になるよう調整した水を水道水として利用することで、「水道水フロリデーション」と言います。日本では行っていません。

アメリカなど 54カ国で行われていますが、この地域では日常的にフッ素を摂取しているため、フッ素の摂取量に注意が必要とされています。

そして、フッ素洗口は、フッ化物水溶液を用いてブクブクうがいを行い、歯のむし歯予防を行うもので、歯みがき剤を使用した歯みがきとは別物です。ブクブクうがいができる年齢が2〜6歳と個人差があるため、WHOとしては6歳未満は禁止となっています。

フッ素中毒

もちろん、フッ素が絶対安全というわけではなく、摂取過剰になるとフッ素中毒になります。

急性中毒は、一度に大量のフッ素を摂取した場合に、腹痛下痢等の症状が生じます。

「急性中毒量2mg/kg体重」で計算すると、体重15kgの子どもで、大人用歯みがき剤(フッ素濃度1,000ppm、90g)だと1/3本、子ども用歯みがき剤(フッ素濃度500ppm、60g)だと1本一気にまるまる飲み干すと、起こります。さらに多量のフッ素を摂取すると致死量となりますが、そうそう起こらないと思います。

歯のフッ素症

歯のフッ素症とは、フッ素の過剰摂取による慢性中毒の症状の1つです。

歯のエナメル質に、左右対称に不透明な縞模様や白斑が見られます。出生から8歳までの小児に対して、「0.1mg/kg体重/日」以上のフッ素を毎日摂取することで発症すると言われています。

体重10kgだと1日1mg。体重15kgだと1日1.5mgを毎日摂取する場合は慢性中毒量です。計算しやすいようにすると…

・フッ素濃度1,000ppmの歯みがき剤1cm(0.5g)でフッ素量は0.5mg。

・フッ素濃度500ppmの歯みがき剤1cm(0.5g)でフッ素量は0.25mg。

例を挙げると、体重15kgで1日2回の歯磨きで1,000ppmの歯みがき剤を一回につき2cmずつ使う場合は過剰摂取です。

なので、軽く計算してみて、多いかも…??と思う場合には、一度に使う歯みがき剤の量を調整したり、歯みがき剤のフッ素濃度を低いものに変更するなどを検討してみてください。前回のブログで、年齢別の歯みがき剤の推奨フッ素濃度と量を載せています。

最後に

もちろん、科学や医学は日進月歩していて、数年後あるいは数十年後には、フッ素塗布やフッ素入りの歯磨き剤に替わるむし歯予防の薬品が開発されているかもしれません。

また、昔に比べて、子どものむし歯も減ってきています。

そんな中で、むし歯予防に焦点を当てたフッ素入りの歯磨き剤を使う習慣は、無くなっていくのかもしれません。

しかし、現時点において、むし歯予防は、個々のむし歯リスクを踏まえた上での、食生活を含む生活習慣の見直しとフッ素の利用が主流です。

前回と今回のブログがみなさんのフッ素に対する認識とフッ素との付き合い方の一助になれば幸いです。

もし、分からないことがあれば、歯科医院で相談してみてくださいね。

お悩みが1つでも解決すればいいなと思っています。 診察で女医希望の場合は、電話でご予約の際に女医希望とお伝えください。診療できない曜日や時間帯があります。

ユリの花言葉は「純粋」「無垢」

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