小児筋機能矯正治療とは
こんにちは!
高知県大豊生まれ
はちきん歯科医師 「山下雅(みやび)」です。
香川県高松市「木太デンタルクリニック」で勤務しています。
暑い日が続いていますが皆さん夏バテはされていませんか?
今回は実際に行った小児矯正治療の症例を紹介します。
反対咬合の症例
2022年1月に受診された、6歳の女の子です。前歯の反対咬合が主訴でした。
歯並びの改善方法はいくつかありますが、口元や姿勢など全体を診て、筋機能矯正治療を行いましょうと提案しました。
筋機能矯正治療とは
筋機能矯正治療とは、お口の周りの筋肉の力を高めて、その良好なバランスを獲得することによって正常な歯並びを獲得する矯正治療です。
一般的に矯正治療というと、ワイヤーや装置を用いて歯を動かして歯並びを改善します。
しかし、筋機能矯正治療においては、筋機能矯正装置という矯正装置を使うものの、その装置自体が歯並びを直接改善させるというわけではありません。筋機能矯正療法(MFT=Myofunctional Therapy)というトレーニングを併用して、自らの口腔周囲筋(お口周りの筋肉)を鍛えて、歯並びを改善するという治療方法です。
お口周りには舌や唇、頬など、いろんな筋肉があります。舌??と驚くかもしれませんが、焼肉で牛タン食べる方もいますよね。大きな、立派な、筋肉の塊です。
この筋肉がしっかり発達して機能しており、良いバランスに保たれていると、その間にキレイに歯が並ぶと言われています。
よく見られるのが、この舌が下がってしまっている『低舌位』というものです。
そして、低位舌や口輪筋(唇の筋肉)の緩み、口呼吸によって起こる『お口ポカン』もよく見られます。
お口ポカンについては、前回のブログで書いていますので、よければ読んでみてくださいね♪
低舌位による影響
舌は、正常であれば口蓋(上あご)に付いています。しかし、この舌を上に挙げられず落ちていると、いつも下の前歯を押す位置にあるようになってしまいます。そうすると、物を飲み込むたびに舌の力によって、上あごが広がらない、下の前歯を押して『反対咬合』になってしまう場合があります。前歯の間を押すようになると、前歯が閉じない『開咬』になってしまいます。
「舌の力で歯が動くの?歯並びなんて変わるの?」と思うかもしれません。
しかし、いわゆるワイヤーを使う矯正治療で前歯を動かすのにかかる力は1.7g。舌が押す力は500g以上です。唾や食事で飲み込む回数は1日あたり600回です。
どうでしょうか?舌が歯を動かすのはアリアリなのです。
実際にどんな装置を使うの?
種類は様々ですが、基本的には取り外し可能の筋機能矯正装置を使用します。
ただ、繰り返しますが、単に装置を付けただけでは治りません!!毎日、数種類のお口の体操のトレーニングを実行してもらっています。
毎日の継続、頑張りが結果となって歯並びにあらわれます。歯並びの改善は最低でも半年かかると言われています。
治療経過
2022年6月時点の歯並びです。だいぶ歯並びが改善してきていますね!
まだ時々、噛み方によっては元に戻るため、継続して矯正治療中です。
自分の頑張りが目に見えてくると嬉しいですよね♪
毎日、トレーニングもしっかり行なっているからこその結果です!!
頑張れー!!!
診療では、歯並びの変化、矯正装置の使用状況の確認、トレーニング内容と効果のチェック、トレーニングメニューの提案などを行います。
※矯正装置は歯科医師の正しい判断、治療、管理指導のもとでご使用くださいね
気になることがあれば何でも聞いてください。
診察で女医希望の場合は、電話でご予約の際に女医希望とお伝えください。
私情で大変申し訳ありませんが、8月は産休のためお休みさせていただきます。