子どもの歯ぎしり

こんにちは!
高知県大豊生まれ
はちきん歯科医師 「山下雅(みやび)」です。
香川県高松市「木太デンタルクリニック」で勤務しています。
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!
2025年もよろしくお願いします。
今回は、ママが心配になってしまう「子どもの歯ぎしり」について書きます。
子供の歯ぎしり
みなさんのお子さんは「歯ぎしり」をしますか?
子どもを診察していると、時々、「うちの子、歯ぎしりするんですけど、大丈夫でしょうか?」と質問されることがあります。
不安になりますよね、今回はそんな子どもの歯ぎしりについて書きます。

歯ぎしりの症状
歯ぎしりの症状は、もちろん、寝ている間に歯ぎしりをすることです。
この時の歯と歯が噛み合う力はとてもすさまじいものです。
一般的に、起きている時に全力で噛みしめた時の力は、成人で体重と同程度の40〜60kgといわれています。しかしこれは、たとえ全力であっても、脳が無意識のうちに噛む力をセーブしているのです。寝ている間は、この脳の制御が働かないため、自分の体重の2倍〜5倍、つまり80kg〜300kg、人によっては1tもの力で噛みしめや歯ぎしりをしているといわれています。
噛む力には個人差がありますので幅は大きいですが、それでも驚きですよね。
子どもは大人よりも噛む力が弱いですが、それでも体重の数倍もの力で噛んでギリギリやっていると思われます。
歯ぎしりが原因で起こる症状としては、朝起きた時にあごが疲れていたり、歯のつめ物や歯のかぶせが頻繁に外れてしまう、歯が割れる、などがあります。
また、歯ぎしりをしている人のお口の特徴として、歯の先端が削れて真っ平らになるというのがよく見られます。

歯ぎしりの原因
一般的に「歯ぎしり」と聞くと、『ストレスがかかっている』『かみ合わせが悪い』といった原因が思い浮かぶのではないでしょうか。
大人の場合ですと、それらが原因となってきますが、子どもの場合はちょっと違います。
確かにその2つが原因の場合もありますが、一般的には、成長の過程での正常な行為であるといわれています。歯の噛み合わせのコントロール、永久歯が生えるスペースを確保したり顎の成長を促す役割があると考えられています。
明らかなストレス、噛み合わせの異常がなければ、乳歯から永久歯に生え変わる12歳頃に落ち着くといわれています。
治療方法、対処方法
大人の歯ぎしりの場合、原因となっているストレスを軽減したり、噛み合わせの治療を行なったりします。お顔の筋肉である咬筋の緊張を和らげたり、また、寝ている間に歯にナイトガード(マウスピース)を装着し、強い力から歯や顎を守る対処療法もあります。
子どもの場合ですと、自覚症状がない場合がほとんどですので、多くは治療を必要としません。
歯ぎしりをしていても、昼間に何も症状がない場合は、経過観察していいでしょう。
ただ、ストレスが原因の場合は精神的なケアが必要になってきます。
また、あきらかに歯の噛み合わせが悪いことが原因になっていそうな場合は、矯正治療が必要です。
その他、顎や歯の痛みを訴えたり、歯が異常にすり減っている場合には、大人と同じように寝ている間にないとガードを装着する場合もあります。

私の息子(5歳児)の場合
5歳になる息子も、ゴリゴリに歯ぎしりをしています。笑
夜にふと起きると、「隣で獣が骨を食べてる!?」ぐらいのおぞましい『ゴリッ…ゴリッ…』という音を立てて、よく歯ぎしりをしています。
静かな寝室に響きわたるその音…初めて聞いた時は、何の音か分からず、心臓がミジンコサイズの私はビビってしばらく挙動不審になってしまいました。
あごが壊れやしないか、とてもとても心配になるほどなのですが、本人は特にそういったことは訴えません。非常に元気いっぱいに過ごしています。

歯ぎしりをしている人の特徴、歯の先端がすり減って平らになる、というのがよく分かりますね!わーお、見事に歯の先端がピシーッと平ら!笑
最後に
今回は、子どもの歯ぎしりについて書いてみました。
お悩みが1つでも解決すればいいなと思っています。
診察で女医希望の場合は、電話でご予約の際に女医希望とお伝えください。診療できない曜日や時間帯があります。
